2004年09月11日
四川の名所巡り

四川省の首都、成都からバスで雲南省に向けて出発してからは名所巡りの旅になった。まず世界最大と言われる大仏があり、二千以上もの仏像が崖の側面に彫られていることで知られる千仏峡にも近い楽山へ。ちょうどその日が二年に一度行われる大仏祭りがあり週末だったことも手伝って、大仏には大勢の中国人観光客が押し掛けていた。大渡河と青衣江が合流しミン江となる地点にそそり立つ大仏そのものは、「仏像の命は顔である」と子供の頃言われて育った私にはあまりぱっとしないただでかい石仏でしかなかった。千仏峡でも二千ある筈の仏像のうち六十数個しか観ることが出来ず、がっかりだった。

楽山で最も良かったのは街の人々だ。フレンドリーでお土産を押しつけることもない。小さな食堂では近所の住人と同じように接してくれる。大仏祭りは日本の灯籠流しによく似た祭りで、三河の合流地点付近から大仏の前に流れるように花を模した灯籠を三隻の船から流す。橋の上で見ていた私たちに現地の人が話しかけてくる。警備の警察官もリンに英語で話しかけ、彼女だけ橋の欄干で写真撮影を許してくれたりした。フレンドリーなだけではなく、おっとりとした優しさを感じた街でもある。

次に訪れた峨眉山も四川西南部の名所として、また1996年にユネスコ世界遺産に登録されて有名である。標高3,099メートルを越え仙境とも呼ばれたこの山には仏閣が点在し、渓谷や滝や森を散策出来るところだ。今では数カ所の拠点までバスで行け、山中の拠点を結ぶリフトとロープウエイが走っている。案の定清音閣や伏虎寺などの要所には中国人観光客の大群が押し寄せていて、確かに綺麗なところではあるのだがそれ程味わいを感じる場所ではなかった。中国では名所らしい景観と静けさを楽しめるのは、交通の便が無く辿り着くのに労力を要する場所へ行かなければならない。峨眉山の場合、それは数千段の石段を何時間も上り下りする道を意味する。多くの欧米人トラベラーは、まずバスで中腹まで行ってからハイクするのが一番だと言う。一日ではこの一帯を一日で回ることは不可能だが、各寺院に宿泊所があるので数日を山中で過ごすことは出来る。

中国人観光客に疲れたからか、これらの名所自体がそれ程説得力の無いものだったのか、私たちの興味をそそるものは特に無かった数日間だった。中国の名所と自然は世界でも有数の美しい場所であると思う。しかし、北京やチベットでもそうだったように、中国国内の観光産業開発については少々観察出来たと思う。どの国の名所にも必ず開発しすぎた場所がありがちだが、現在の中国では過度な開発がほとんどでその場所の本来の素晴らしさが削り取られている印象が強い。この国の真価を見るには少々遅く訪れたかも知れない、と感じることが多いのだ。
Posted by taro at 2004年09月11日 22:57奥山春子さんから、紹介していただき拝見させていただいています。充電期間なのでしょうか、グローバルな視点ということではなく、写真には、人間の生き方がにじみ出ているように思いました。
また、楽しみに拝見させていただきます。お体に気をつけて、旅を続けてください。
春子さんには、新庄に来たときから、子どもを含めていろいろとお世話になりました。
井上章(今日が46歳の誕生日です)
Posted by: inoue akira at 2004年10月09日 00:03