2004年10月06日
カオサン・ロードの今

カオサン・ロード。タイを訪れるトラベラーなら必ず一度は行くバンコックのスポットである。タイへ行ったことがない人も、アレックス・ガーランドの小説、「ザ・ビーチ」や、その映画化でレオナード・デカプリオ主演のハリウッド映画「ビーチ」のロケーションとしてご存じかも知れない。この通りはほんの2ブロックほどの短いもので、昼間は二車線の車道が走っており、夕方には歩行者天国となって街路そのものがクラブ化する。

道の両側にはホテル、ゲストハウス、レストラン、クラブ、コンビニ、土産店、旅行代理店、インターネットカフェ、本屋など、ありとあらゆるトラベラー対象のビジネスがぎっしりと建ち並んでいる。さらに土産物、食べ物、ドリンクを売る屋台が車道にまで溢れていて、その間を主に欧米人と日本人の旅行者たちが忙しく動き回っている。カオサンだけではなく、その周囲一帯も同じような様相だ。

以前、この場所は東南アジアやインドを旅する人々の休息地であり、情報交換の場であり、さらに必需品を補給する場所だった。いわば、バックパッカー天国であった。今は数日間のバケーションをタイで楽しむ旅行者たちがバンコック滞在の間に買い物やパーティーを楽しむ観光地であるという印象が強い。幸い今の所は団体客がバスで押し寄せることは無い。

この通りを闊歩する人々の多くはパックパッカー風にタイ、インド、ネパールのファッションとアクセサリーを身につけていて、見た目には観光客とバックパッカーの区別がつかない。彼らの本国では着るチャンスがまず無いようなフィッシャーマンズパンツ(タイの漁師が着るパンツ)は、カオサン・ロードでは定番中の定番で、まるでユニフォームのようだ。屋台でタイフードを買い、ビルの石段にずらりと並んで座って夕食を楽しむトラベラーのほぼ全員が色とりどりのフィッシャーマンズパンツを穿いている光景は珍しくない。ただ、今やここに集う人々の大半を占めるバケーショナーたちはどこかこざっぱりと清潔だ。
最近の変化を嘆くバックパッカーたちも居るだろうが、私は過去への執着は感じない。以前に比べて仲間同士、恋人同士で遊びに来ている現地のタイ人の若者たちが非常に多くなったのが目立つ。タイの人々はあくまでも観光客相手に商売する立場、欧米人や日本人は客、という方程式が一掃され対等に近い交流の場が生まれつつあるように思う。
Posted by taro at 2004年10月06日 21:39