2005年03月09日

メコンの流れのように

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タイヤチューブに乗っかってメコンの流れに身を任せ、思いっきり太陽の光を浴びる。ラオス南部のシー・ファン・ドン(「四千の島」の意)一帯で体験できる究極のリラックス法のひとつだ。場所によっては流れが少々トリッキーだが、危険に至る可能性などは無く(眠ってしまって下流の大きな滝に呑まれる可能性がないとは言えないが)、心地よい浮遊によって頭の中を空白にし、身体を弛緩させるには絶好の場所だ。この島、ドン・デット(デット島)の川岸には高床式の家とバンガロー形式のゲストハウスが並び、レストランが点在する。あるのはそれくらいなものだが、それが正にこの場所の素晴らしさなのだ。もし、有り余る時間をどうやって使うかを知っていれば、の話だが。

この川を私たちが最初に見たのは5ヶ月ほど前、中国の雲南省の山々を訪れたときのことである。怒濤の激流はあの山々を深く穿ち、麗江付近の虎跳峡を踊る大蛇のように走り抜ける。そしてその流れがラオスの平野に至る頃には翡翠の色を帯びた穏やかな川へと姿を変えていた。メコン川は乾期の今でさえも広く、そしてじれったいほどゆっくり流れている。シー・ファン・ドンは、その広大なメコンの流れの中に大小さまざまの島があり、その直ぐ下流には漁師が絶壁から滝壺へ釣り糸や網を投じるドラマチックな滝を有するというユニークな景観を持つ場所だ。

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メコン川はさまざまな形でそこに生息する動物や大勢のラオス人の生活を支えてきた。(ラオス人口の3分の1がメコンの流れに沿った地域に住んでいるという。)現地の人々にとってこの川は水源であり、魚を採取するところであり、水田用水の供給源でもある。そして川と島々は欧米人と日本人バックパッカーの間で近年注目され始め、観光産業を通じて川の恩恵を受けてもいる。旅行者達の間で何も考えずにリラックスできるところとして知られ始めると、すでに観光開発が進んだラオス北部と比べて未だ些少ではあるがツーリズムによる外貨が入ってきた。やって来るのは主に20代、30代の若いバックパッカーたちで、電気も土産物屋も無い環境を大いに楽しんでいる。

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外来の訪問客は川岸にある砂浜で日光浴したり、チューブに乗って穏やかな流れの上を浮かんだり、島々を自転車で探索したり、さらに読書、夕日を見ながらの「ビーア・ラオ」(現地ビールの銘柄)、ハンモックにくるまって昼寝などを楽しむ。発電機を持ついくつかのバンガローやレストランは夕日の時刻から夜10時頃まで電気を提供する。しかし、部屋の中で電灯を灯すと小さな虫を集めることになってしまうので電気はむしろやっかいだ。薄暗いロウソクの光の方がここでは効率がいい。

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遠い靄と森の茂みや収穫が終わった畑を燃やす煙の向こうに真っ赤な太陽が沈む。ここでの日没は多くの色合いや金色に反射する雲が無く、それ程ドラマチックとは思えない。しかし、日没の残光はピンクがかった灰色となって、闇に覆われる直前まで川岸に生える草や、時折家路を急ぐ小さなボートが横切る川の水面に漂っていた。

この島でバンガローや食事を提供する現地の人々の生活もゆったりまったりそのものである。夕食の忙しい時間には夕食のオーダーが出てくるのに2時間を要することは当たり前だ。厨房で働く数人の女性達はそれぞれのオーダーを全てイチから調理するため、たった3、4人の客が来ただけでも混乱の原因となる。オーダーが全く出てこない場合もある。私たちがある家族経営の小さなレストランへ行ったときのことだ。飲み物と食事を頼むと、ドリンクは直ぐ出てきたのだが、食事が来ない。1時間後に食事はどうなっているかと尋ねると皆きょとんとして反応がない。そう、私たちの食事のオーダーは忘れ去られていたのだ。そのとき、そのレストランには私たちしか客はいなかったというのに。

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現代社会の便利さが欠如しているにもかかわらず、と言うよりは欠如しているからこそ、この地域を魅力的でゆったり出来るところだと思い始めている。ここでの生活はごく基本的でシンプル、時間は有り余るほどある。ラオスへ入ったばかりの私たちの感覚はここでのペースとまだ完全に同期してはいないが、それでも目的も無しにただ在るスペースとしては悪くない場所だと思う。メコンの流れのような時間の流れを感じることが出来るシー・ファン・ドンで数日過ごせばラオスのペースに慣れることは確実だ。

Posted by taro at 2005年03月09日 22:43
Comments

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こちらはJ-WAVEキャンペーン事務局です。
J-WAVEサイトからのリンクのお知らせです。
エントリーいただきましたUNIQUE blogコンテストですが、大変ユニークな内容でしたのでリンクさせていただきました。
DJ TARO賞の選考対象になります。
J-WAVEの新番組「M+」(月〜木11:30-14:00)でも紹介されるかもしれませんのでぜひチェックしてみてください。
それでは今後ともよろしくお願いします。

J-WAVE Are you UNIQUEキャンペーン事務局

Posted by: J-WAVEキャンペーン事務局 at 2005年04月06日 10:54

J-WAVE Are you UNIQUEキャンペーン事務局の皆様>

リンクをしていただきありがとうございました。
旅の途上でのことですのでアップデートも遅れ気味
ですが、宜しくお願いいたします。

Posted by: Taro at 2005年04月12日 12:02

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