2001年4月3日
Sound Tribe Sector 9 @ Eureka
by SuperDee

ツアーする事が人々にとってそんなにも魅力的なのは一体何故なのだろう?冒険への憧れと音楽への愛とを引っさげて現実のいくつかの部分を残して旅立とう。愛する人々にさよならを言って、思いと心を開こう。旅と新しい出会いから多くの事を学ぶ事が出来る。そのためには旅立ちの直後に新たな世界観を得る事への準備も必要だ。

私達は晴れ渡った火曜日の午後、サンフランシスコ・ベイエリアを出発し、ユーリカへと北上を始めた。それはただのドライブではない。マリンとソノマ地区の緑の丘やブドウ園を過ぎると、メンドシーノの巨大で見るにも心地よい木々の景観に包んでくれる。知らぬ間に巨木の頂点が空に触れる辺りを首を伸ばしてみている自分がある。何年もの時が流れ、これらの森を様々な生き物が歩いていったのかとふと思うと、心の中にさざ波が生まれ、そして私には何者かからのバイブレーションが感じられるのだ。

ユーリカに入り、クラブ・ウエストに到着するとトライブのクルー達が迎えてくれた。彼等はただのバンドのクルーではない。クルーメンバーの一人一人はトライブの一員、ファミリーなのだ。そしてその誰もがイベントをクリエイトするために同等の立場にある。グッズを売る、ギターを演奏する、照明を照らす。各個人がその夜のプロダクションに大きな役割を果たす。敬意と誠実さを持ってイベントの雰囲気を盛り上げるクルー達に脱帽。正にこれはただの「ショー」ではなく、この新たなレベルで人々とコネクトするチャンスでもあるのだ。まるで彼等が「いや、オレ達はみんなが馬鹿騒ぎできるために来たわけじゃない。オレ達はこのスペシャルな体験をシェアするためにここに来たんだ。みんなが楽しんでくれると願っているよ」と言っているようだ。

会場はなかなかの入りで10頃には観客達が気持ちよく踊れるのにちょうど良いほどのスペースを残すのみとなった。サウンド・トライブ・セクター9がステージに上がりDJのミックスに溶け込むようにオープナーの「Evasive Manuvers」を演奏、「Your It」、「Tap In」と続く。フィルモアでのこの2曲のコンボがそうであったように、ムードを作りグルーブをスタートするのにピッタリだ。観客からの反応も凄くいい。彼等はしびれるような空気を感じていた。

味わい深い「...and some are angels」が次に来る。私はここに来られなかった仲間達へバイブレーションを送り出す絶好の機会だこの時だと感じた。セクター9を聴いていると、私は大切な人々の事を想うようになる。セクター9が手渡してくれるものを受け取り、それを私がヒーリングパワーに換えて世界中に送り出すのだ。この曲のタイトルの始まりは何かという問いにハンターはこう答えた。「There's a lot of people walking the Earth...(and some are angels)」。

セット1は「Orbital」で終わった。ファン達がこの曲について語る時、STS9とエイリアンや宇宙とを結びつけて話すのだが、確かにこの曲の中のジャムには宇宙に向かって打ち上げられたようなサウンドがある。「Orbital」の終わりの方でマーフィーのベースから新しい STS9のサウンドを確かに聴く事が出来た。これを言葉で表現するのは困難だが、ゴロゴロと揺れるような、またブーンと唸るようなバイブレーションがベースの方向から聞こえ、痺れるような感覚を覚えたのだ。サウンドブースにいたクルー達は始めのうちはあっけにとられ、ポカンともしていたが、すぐ理解したようだ。サクストンが照明をぐっと暗いブルーに落とし、クリスがバックドロップのプロジェクションできらめくような効果を出す。多分これが宇宙に出て軌道に乗る宇宙船の窓から外を見る感覚なのだろう。

短いセットブレイクの後、彼等は次のセットを演奏。セット2は未来を目の片隅に置きながら過去を見るといった印象のものだった。新曲「Grow」でこのセットは始まり、そのフィップスがはじき出すグルービーなハウスビートはThe New Dealを思わせた。爽やかな「Water Song」が川、滝、雨などを連想させる。雷のような音で嵐を再現し、水玉のようにメロディーがこぼれ落ちてくる。私にとってこの夜のハイライトとなった「Wika Chikana」は「Moonsocket」のようにパワフルな中間部分を挟む重厚なファンクをフィーチャーした。これも新曲の「STS9」はザックのメローな演奏を組み込んだ、バンドの新たな側面を見せる美しい一曲。リフに沿ってバンドメンバーがそれぞれの思いを伝える部分があるためにそう銘々された。これらは必ずしも「ソロ」ではないが、みんなが注目される機会がある。

そしてしょーの最後を飾るアンセム、「Moonsockets」がユーリカを訪れた。このバージョンはただ者ではなかった。嵐のように観衆を沸かせる最初の部分は同じだったが、今回は全く違うエンディングを見せた。最初の部分のヒステリアの後、超メローな展開となり、私達はなじみ深い曲に織り込んだゴージャスで全く新しい体験の中に深く浸される事になったのだ。

ユーリカの人々は火曜日の夜を充分楽しんだようだった。私もまた満足だった。土曜日の夜悟りを開かれた私が、こうして初体験をした人々の表情を改めて見るのは素晴らしい事だった。彼等は古代の秘密をたった今発見したように映る。

次はオレゴンに入る。ユージンのWild Duck Music Hallで行われる明日のショーが楽しみだ。

STS9 | April 3, 2001
Club West | Eureka, CA
Set I: Evasive, Your It, Tap In, ...and some are angels, Orbital
Set II: Grow, Water Song, Wikachikana, STS9, Moonsockets
No Encore

SuperDee
Jambase専属、世界の橋渡し
Go See Live Music!


3.31
Palookaville
Santa Cruz, CA


4.5
Wild Duck
Eugene, OR


4.6
Berbati's Pan
Portland, OR


4.7
Sit & Spin
Seattle, WA

4.11
Victoria Hall
Santa Barbara

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